みなさんは「ザラメ」と聞くとどんな食べ物を思い浮かべますか?
ザラメは、カステラやザラメ煎餅、クッキーのトッピングなどに使用されており、シャリっとした楽しい食感が好きだという方も多いでしょう。
その一方で「ザラメは体に悪い」と耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ザラメを使うのはなんだか心配…」
「いつも使っている白い砂糖と何が違うの?」
こちらの記事では、そんな不安や疑問をもつ方に向けて、解説していきます。
ザラメが体に悪いと言われる原因は?
調べたところ、ザラメの精製度の高さにそういわれる原因がありました。
そもそも、ザラメとはどんな砂糖なのでしょうか?
実は、砂糖にはたくさんの種類があり、大きく2つに分けることができます。
分みつ糖(ぶんみつとう)
分みつ糖は、原料となるサトウキビやてん菜のしぼり汁から、糖みつ(※)を分離し、結晶のみを取り出したものです。
例えば、
・上白糖
・三温糖
・グラニュー糖
・白ざら糖
・中ざら糖
・氷砂糖
などがあります。
含みつ糖(がんみつとう)
含みつ糖は原料のしぼり汁をそのまま煮詰め、糖みつを含んでいるものです。
例えば、
・黒糖
・きび砂糖
・赤糖
・和三盆
などがあります。
※「糖みつ」とは、砂糖を精製する工程で生まれる、不純物を含んだ黒っぽい色の液体。
40~60%の糖分を含んでおり、甘味料やうま味調味料、ラム酒の原料などになります。
「砂糖は大きく2つに種類分けされるということはわかったけど、肝心のザラメは…?」
ここまで読んで、そう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
分みつ糖の中でも、特に精製度が高く粒が大きい、グラニュー糖、白ざら糖、中ざら糖は、「ザラメ糖」に分類することができます。
そしてその中でも、黄褐色をした中ざら糖を一般的に「ザラメ」と呼びます。
では、なぜザラメは体に悪いと言われるのか。
上記でも触れたように、分みつ糖に分類される砂糖は、精製度が高い、つまり純度が高いものとなります。
黒糖や和三盆などの含みつ糖は純度が低く、不純物が残されています。
この不純物には、人間の体に必要なミネラルやカリウムといった栄養素が含まれているため、特に精製度が高いザラメは、栄養素が含まれていない=体に悪い、と認識されることがあるようです。
ただ、ザラメに限らず、どんな砂糖でも大量に摂取すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病につながるので、注意が必要ですね。
ザラメ糖と白砂糖の違いは?
白砂糖は上白糖とも呼ばれ、日本ではもっともポピュラーな砂糖です。
そんな上白糖は、ザラメ糖とどのような違いがあるのでしょうか。
味が違う?
ザラメ糖は種類によって味わいが少し変わってきます。
・グラニュー糖…クセがなく純粋な甘み。
・白ざら糖…クセのない上品な味。
・中ざら糖…白ざら糖にカラメルをふきかけており、独特のまろやかな風味。
上白糖はクセがなくソフトな味わいで、調味料やお菓子作りなど、どんな用途でも使うことができます。
製造工程でビスコと呼ばれる糖液をかけているため、ザラメ糖より甘く感じます。
カロリーが違う?
調べてみると、100gあたりのカロリーは下記のとおりでした。
○ザラメ糖
・グラニュー糖……394kcal
・白ざら糖……393kcal
・中ざら糖……393kcal
○上白糖……391kcal
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) 第2章(データ(Excel:1.9MB))」より
ほぼ同じと言えますね。
形が違う?
それぞれ種類によって大きさが異なります。
○ザラメ糖
・グラニュー糖……0.5mmくらい
・白ざら糖……2.2㎜くらい
・中ざら糖……2.5㎜くらい
○上白糖……0.2〜0.3mmくらい
栄養が違う?
ザラメ糖も上白糖も、成分のほとんどは炭水化物です。
○ザラメ糖(100gあたり)
・グラニュー糖……炭水化物100g
・白ざら糖……炭水化物 100g
・中ざら糖……炭水化物 100g
○上白糖(100gあたり)…炭水化物 99.3g
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) 第2章(データ(Excel:1.9MB))」より
氷砂糖とザラメの違いは?
氷砂糖は時間をかけて結晶を大きくした、純度の高い砂糖です。
ゆっくりと溶けるため果実酒やシロップ作りに最適。
一般的にザラメと呼ばれる中ざら糖は黄褐色をしていますが、氷砂糖はグラニュー糖や白ざら糖と同様に無色透明です。
(結晶が光を乱反射するため、白く見えています。)
ザラメと三温糖の違いは?
一般的にザラメと呼ばれる中ざら糖と三温糖は、同じ黄褐色をしています。
上白糖などの結晶を取り出したあとの糖液を煮詰めて作るため、このような色になります。
(三温糖という名前も「再三加熱する」ところから由来しているそう。)
ザラメ(中ざら糖)と三温糖の一番大きな違いは、粒の大きさ。
ザラメ(中ざら糖)が2.5mmくらいなのに対し、三温糖は0.2〜0.3mmと細かいです。
独特の風味を持ち甘さも強く、コクを活かせる和食にぴったり。
ザラメに合った料理は?
まろやかで独特な風味のザラメ(中ザラ糖)は、醤油との相性が良く、煮物や照り焼き、すき焼きなどに最適です。
冒頭に少し触れたカステラも、その昔、防腐剤の代わりや生地のしっとり感を長持ちさせるために、粒の大きいザラメが活躍したそう。
同じザラメ糖でも、グラニュー糖や白ざら糖は、粒の大きさや味わいが異なるため、適した料理も異なります。
・グラニュー糖
水に溶けやすく飲み物におすすめ。
また、混ざりやすいのでお菓子作りに最適です。
味にクセがなくあっさりしているので、食材の風味を損ねません。
・白ざら糖
焼き菓子のトッピングやゼリー、わたあめ、などに。
白ざら糖の上品な甘みは高級菓子にもうってつけ。
焦げてカラメル化しやすい上白糖と違い、焼き色をあまりつけたくない焼き菓子に重宝します。
ザラメは体に悪い?その理由や白砂糖・氷砂糖・三温糖との違いのまとめ
ザラメは本当に体に悪いのか?という部分について振り返ってみましょう。
◆砂糖は、大きく分みつ糖と含みつ糖の2種類に分かれる。
◆分みつ糖の中でも精製度が高いザラメ糖。
◆精製度が高い=不純物(栄養素も含む)が取り除かれている。
◆栄養素が含まれていようがなかろうが、どんな砂糖も大量摂取は良くない!
栄養素のないものを食べたくない…という方は、黒糖やきび砂糖などの含みつ糖を選ぶと良いでしょう。
ですが、栄養素ばかりを気にして、せっかくの食材の風味を損ねてしまうのは少しもったいないと思いませんか?
砂糖にはたくさんの種類があり、味わいや粒の大きさによって、適している料理がそれぞれ違いました。
普段何気なく使っている砂糖ですが、特性を活かして使い分けると、料理や食事がより一層楽しくなりそうですね。