高校入試は私立と併願にするお子さんが多いですが、公立だけしか受けないというお子さんも少なくありません。
「経済的に私立には行かせられないから受験もさせない」というご家庭もありますよね。
ただ、公立落ちた場合にどうすべきなのかしっかり調べておかなくてはいけません。
「公立落ちたし私立受けてない時はどんな進路が残るの?」
「高校に行けなかったらどうしよう・・・」
「高卒資格ってどうやったらとれる?」
そんな不安を抱えている受験生や親御さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、公立落ちた場合私立受けてない子はどうすればいいのか、進路や高卒資格を取得する方法などをご紹介していきます。
公立落ちた私立受けてない時の進路の手順や進学費用等もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
公立高校に落ちた!私立高校を受けてない時の進路は?
公立高校落ちたらどうするのか?
私立高校受けてないけど進路どうなるのか?
「行くところがない!!」
そんなことはありません!
私立高校受けてない状態で公立高校落ちたお子さんの進路には、
- 二次募集で受験する
- 定時制高校進学
- 通信制高校進学
- 就職
というものがあります。
あきらめなくても進路はあるので、一つずつ詳しくご紹介していきますね。
二次募集で受験する
私立高校受けてないお子さんが公立落ちた場合、
「公立の二次募集で受験する」
という進路があります。
聞いたことがある方もいると思いますが、毎年必ずといっていいほど定員に達していない高校の二次募集がありますよ。
この二次募集で合格を勝ち取ることができれば、春からみんなと同じ高校生になることができるのです。
第一志望の高校には進学できませんが、とにかく全日制の高校に行きたいという場合は、この進路を選択することになります。
定時制高校に進学する
二つ目にご紹介する進路は、「定時制高校に進学する」です。
定時制高校は夜間に通うと思われがちですが、実は昼間に授業を行うところもあります。
10代はもちろんですが、20代・30代の方でも定時制高校に通っている人がいます。
いろんな世代の人が集まっているので、全日制とはまた違った雰囲気があるかもしれませんね。
公立高校に落ちたお子さんで、定時制高校への進学という進路を選ぶお子さんもいます。
定時制高校の数は多くありません。
もしもの時の為に、お住まいの地区であるのかどうか、また通学するとなると自宅からどれくらいかかるのかなども調べておいた方がいいですね。
通信制高校に進学する
私立を受験していなくて公立に落ちてしまった場合の進路3つ目は
「通信制高校に進学する」
になります。
通信制高校は全日制や定時制のように毎日学校に通う必要はありません。
自宅学習が基本となっていて、必要な時だけ通学するというスタイルの高校です。
多くの学校が単位制を導入しているので「留年」というものがなく、3年以上の在籍で卒業単位を取得して卒業となります。
通信制高校に通う人は公立落ちた人だけでなく、
- 全日制をいろんな理由で中退した人
- 不登校になってしまった人
- 社会人になってから学びなおしたい人
- スポーツや芸能などの世界で仕事をしている人
というふうに、多様な人たちが学んでいるのです。
就職する
公立落ちた場合の進路の4つ目は「就職する」になります。
「中卒で就職なんてできるの?」
と心配する方もいますが、就職先がないわけではありません。
先にご紹介している進路の中で選択したいものがなく、働きたいという気持ちがあるなら就職するという進路でいいのではないでしょうか。
「中卒で就職なんて・・・」
という気持ちを持つ親御さんの方が多いと思います。
私にも子供がいますので、その気持ちは理解できますよ。
ただ、子供の人生は子供のものです。
中卒で就職したとしてもその後やりたいことがみつかり、目標ができて、その為に自分で通信制高校に通うというケースもあります。
お子さんが「就職する」という進路を選ぶなら、応援してあげてくださいね。
私立はむり!学費を抑えて高卒資格を取得する方法
「経済的に絶対に私立はむり」
というご家庭も多いですよね。
うちも3人いるので、私立はむりです。
そういうご家庭でお子さんが私立受けてないのに公立落ちた場合、少しでも学費を抑えて高卒資格だけでもとってほしいと思ってしまいますよね。
定時制が比較的学費が安いと思う方もいますが、実は全日制とそれほど大きな差はありません。
学費を抑えて高卒資格を取得するなら「通信制高校」がおすすめです。
公立の通信制高校の場合、学校にもよりますが初年度は5~6万円程度でおさまります。
これにはちょっと驚きですよね。
私立の通信制高校は公立と比較すると高くなりますが、それでも全日制や定時制高校に通うことを考えると、かなり安く抑えられます。
通信制高校の費用は学校によって多少異なりますので、一度調べてみてくださいね。
公立落ちた私立受けてない時の進路の決定手順
私立受けてないのに公立落ちた場合、どういった手順で進路が決まっていくのでしょうか?
これから受験を控えているのに、落ちたときのことなんて考えたくない!
という方もいますが、確実に合格できるという保証はありません。
いざという時のために、お子さんをしっかりサポートできるよう進路の決定手順を知っておいて下さい。
今の中学校では様々なケースを想定して、子供たちにも細かく進路決定までの手順を教えてくれています。
保護者である私たちもしっかりと手順を頭に入れておきましょう。
公立の合格発表後に中学校で3者面談
私立受けてないお子さんが公立落ちた場合、合格発表後にお子さんが通う中学校で3者面談が行われます。
- 公立の2次募集に出願する
- 定時制や通信制高校に進む
- 就職する
といういくつかの進路の中からお子さんの意思を確認しながら、進路を決定するという流れです。
公立落ちた場合の進路決定は、お子さんと保護者の方がじっくりと話し合うことが大切ですよ。
可能であれば3者面談をする前に、お子さんの気持ちに寄り添いながらしっかり話をしてあげてください。
志望していた進路に進めなくなったことで、お子さんは一人でいろんな気持ちを抱え込んでしまいがちです。
一番の理解者である保護者の方が、しっかりと心のケアをしながら話し合ってくださいね。
進路決定後に出願or就職活動をする
中学校での3者面談で進路が決定したら、
- 出願
- 就職活動
をしていきます。
出願に関しては学校の先生からいろいろ指示がありますので、それに沿って進めていけばいいですね。
就職活動ですが、中卒で採用してくれる職場はかなり限られており、正直少ないです。
どんなところがあるのかは、職業安定所に行くと分かります。
いろんな求人の中で
- 中卒可
- 学歴不問
- 未経験OK
- 資格不問
という条件を出してくれているところから探していくのがいいですよ。
私が中学生の頃(〇十年前ですが・・・)中卒で就職する子も毎年いたので、学校からいくつか紹介してくれるという話を聞いたことがあります。
時代が違うので今はどうか分かりませんが、学校からの紹介等もあるかもしれないですね。
学校からの紹介もなく、どうしていいかわからないという場合は一度職業安定所に足を運んでみることをおすすめします。
進学するためにかかる費用
保護者が一番気になるのは、進学するためにどれくらいの費用がかかるのかということですよね。
「授業料免除」
「自治体独自の補助金」
などいろいろありますが、結局のところいくらかかるのかよくわからない人も多いと思います。
この章では
- 公立
- 私立
- 定時制
- 通信制
それぞれでかかる費用をご紹介していきますね。
しっかりとチェックしていただいて、お子さんがどの進路を選択してもいいように準備しておいてください。
私立高校進学でかかる費用(所得によって学費が変わるので要確認)
私立高校も授業料が無償化となっていますよね。
「授業料無償化ならうちでも行かせられるかも!」
そう思ってしまった人もたくさんいるはずですが、高校にかかる費用は授業料だけではありません。
初年度であれば「入学金」が必要ですし、「教材費」「施設設備費」「行事費」「PTA会費」など、授業料以外での様々な費用が発生します。
学校によって金額は異なりますが、平均で私立高校3年間にかかる費用は300万円弱と考えておいた方がいいですね。
なかなかな金額ですよね。
ですが、国や各自治体が行っている授業料無償化や補助金制度を利用すれば、かなり費用を抑えることも可能です。
まずチェックしないといけないのは、授業料無償化の対象になるのかどうかということです。
以下の表で、国の授業料無償会対象になるかどうかチェックしてください。
●両親のうち一方が生計維持者(方働き)の場合
引用元:文部科学省「私立高等学校授業の実質無償化にかかる所得判定基準」
●両親共働きの場合
引用元:文部科学省「私立高等学校授業の実質無償化にかかる所得判定基準」
無償化の対象となる場合、
- 年収590万円未満の世帯⇒年間396000円を上限に支給
- 年収590万円~910万円未満の世帯⇒年間118000円を上限に支給
となります。
国の制度の他に、東京や大阪など各自治体が独自で学費支援を行っています。
各自治体の対象世帯や金額は異なりますので、一度調べてみることをおすすめします。
また、受験する高校が決まったら、初年度にどれくらい必要なのかを調べておいてください。
3年間で初年度にかかる費用が一番高いので、必ずチェックしておいてくださいね。
公立高校でかかる費用
公立高校でかかる費用は、私立と比較するとかなり抑えられます。
公立高校3年間でかかる費用は140万弱です。
私立と同様、公立高校の費用も学校によって異なりますので、あくまでも目安になります。
公立高校も授業料無償化になっていますが、対象世帯であるのかどうかを下の表でご確認ください。
表を見ていただいて分かるように、両親の年収によって支給額が年間
・118000円
・396000円
という2つに分かれます。
対象になり支援が受けられたら、授業料以外の部分でどれくらいの費用が発生するのか、志望している学校のホームページなどで調べてみてください。
定時制高校でかかる費用
定時制高校でかかる費用ですが、気になる授業料は、
公立(学年制)⇒年間32,400円で卒業までの金額は129,600円
公立(単位制)⇒1単位1,740円で卒業までの金額は128,760円
私立⇒年間10〜40万で在籍年数により金額が異なります。
とされています。
この他に、
- 入学金(2,100円)
- 施設設備費
- 給食費
- 運営費
- 交通費
- 物品購入費(学校による)
等といった、学校ごとの費用がかかってきますね。
定時制高校でも高等学校就学支援金制度というのがあり、年収910万円未満の場合、
- 公立定時制高校(学年制)⇒月額2,700円
- 公立定時制高校(単位制)⇒1単位当たり月額1,740円
- 私立定時制高校⇒月額9,900円
という支援金が支給されます。
私立の定時制高校では「市町村民税所得割額」によって支給される金額が変わってきます。
以下を参考にしてください。
- ・非課税⇒基本額の2.5倍
- ・100円~51,300円⇒基本額の2倍
- ・51,300円~154,500円未満⇒基本額の2倍
通信制高校でかかる費用
通信制高校にも公立と私立があり、それぞれで費用が異なりますが、断然公立の通信制高校の方が安いです。
通信制高校の初年度にかかる費用は
公立⇒5~6万円
私立⇒25万円
というふうになっています。
これらは通信制高校の自宅学習がメインの場合で、私立の通信制高校で通学もするコースを選択すると年間100万程度かかる学校もあるのです。
「通信制なら私立に行かせられるかも!」
と思っている保護者の方もいると思いますが、やはり通信制も私立は高くなってしまいますね。
通信制高校でかかる費用には、
- 入学金
- 通信費
- 教科書代
- 施設費
- 授業料
- イベント(学校行事のようなもの)参加費
などが挙げられます。
通信制高校の中でもここ数年でかなりメジャーになっているのが「N高」と呼ばれる「N高等学校」です。
N高にはいくつかコースがありますが、その中でも一番安い「ネットコース」でかかる1年間の実質負担金を見てみましょう。
ネットコースは、インターネット学習と年間7〜8日程度の登校になります。
引用元:N高等学校
これは、年間25単位履修したときのモデルケースとなっており、高等学校就学支援金制度を利用したときの実質負担金額です。
入学金として別途10,000円、入学検定料として別途5,000円が必要となります。
通学コースを選択すると、普通に私立並みの費用が発生しますよ。
N高も進路の一つに入れているなら一度ホームページで費用を確認しておくことをおすすめします。
公立落ちた私立受けてない時の進路は?学費を抑えて高卒資格を取得する方法のまとめ
私立受けてないお子さんが公立落ちた場合の進路や学費を抑えて高卒資格を取得する方法などを中心にご紹介しました。
公立1本しか受けていなくて合格できなくても、そこで進路が絶たれてしまうわけではありません。
- 二次募集で受験する
- 定時制高校への進学
- 通信制高校への進学
- 就職する
という進路があります!
できるだけ学費を抑えて高卒資格を取得するなら「通信制高校」がおすすめです。
公立の通信制高校ならかなり費用を抑えられるので、選択肢の一つとして前向きに検討するのもいいのではないでしょうか。
最近では私立高校に進学するお子さんが増えています。
私立はかなり学費がかかりますが、国や自治体の支援金制度を利用すれば授業料が実質無償化になったり、負担を減らすことが可能です。
支援金制度の対象となるかどうか、この機会に確認しておいてくださいね。